『ドージンワーク』のヒロユキ氏が中心になって作るコミック雑誌。
一般のコミック雑誌と違い、作家同士が制作の段階でチェックしあうところがユニークだ。
基本的に、マンガは作家と編集者が打ち合わせをして作品を作り上げる。その完成した原稿を集めて1冊の雑誌にするのがコミック雑誌というわけだが、『コミックギア』の場合、出来上がる前に、作家同士が作品を回覧し、意見交換をするようなのだ。そのため、アニメ制作と同じように一カ所に集まって作画をしているらしい。
クリエイター同士がぶつかり合う機会を増やすことでクォリティの向上を目指す。ときわ荘をシステマティックにしたような考え方だ。
この企画は面白いと思うし、うまくいけば良いとも思うが、クリエイター間のパワーバランスがしっかりしていないと機能しないところが不安だ。
ヒロユキ氏が指揮を取れる範囲内であれば良い。しかし、大物マンガ家や、無名でも凄い腕をもったマンガ家が参入したら、これは調整が難しくなりそうだ。クリエイターである以上、それなりのこだわりは持っているだろう。クォリティやコンセプトを統制するのは容易でない。
スター作家やベテランが牽引する形で雑誌を売る・・・数撃って、いくつか当たればいい
的な作り方が、今までのコミック雑誌であり、それが現実的なのは言うまでもない。
現実的だが、部数を見れば、コミック雑誌は減少の一途を辿っている。今まで通りで良いというわけでもない。他の娯楽コンテンツにシェアを奪われ続けるままではいけない。
その打開策に『コミックギア』のような体制が一役買うのなら、それは良いことだと思う。
1号、2号と購読してみた感じでは、まだ大化けする雰囲気がない。作り方は変わったのだろうが、マンガの内容と質が、他誌に比べて変わっているかといえば、そうでもない。
演技はどうあれ超人気アイドルを起用した映画と、演劇に情熱を傾ける無名役者たちの自主制作映画・・・たとえ後者が良質だったとしても、興行収入に比例するわけではなく、商売である以上、利益がでない限りは続けられない。
この企画で売れるか、芳文社がどこまで見守れるか、そこがポイントだ。
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